アフラトキシンは何に発生するか

人や動物の健康に悪い影響を与えるかび毒は100種類以上ありますが、主なかび毒として知られるのがアフラトキシン類です。アフラトキシンには16種ほどの化合物がありますが、特に毒性に注意しなければいけないのが、B1、B2、G1、G2、M1です。なかでもB1は天然物でもっとも強力な発ガン物質とされています。
アフラトキシンは高温多湿の状態が増殖に適していて、熱帯~亜熱帯地域の農作物に汚染が見られます。発生する主な農作物、食品はピーナッツおよびピーナッツバター、トウモロコシ、ハト麦、そば粉などの穀類及びその加工品、白コショウなどの香辛料、ナツメッグ、ドライフルーツ、牛乳、ナチュラルチーズなどがあります。国内産のものはアフラトキシンが検出されておらず、検出されたのは全て輸入食品になります。また、アフラトキシンは熱に強い性質なので、一度発生すると加工調理過程で分解することができず、除去するのが困難な厄介なかび毒です。

アフラトキシンの危険性

大量にアフラトキシンを摂取すると、ヒトや動物は急性の肝障害を起こします。肝障害の主な症状は黄疸、高血圧、急性腹水症、昏睡などがあります。2004年にはケニアでアフラトキシン中毒が発生し、317人の黄疸患者が報告され、そのうち125人が死亡。原因は湿気の多い環境でとうもろこしを保存中に高濃度のアフラトキシンが発生。それを食べてしまったためと言われています。
また、アフラトキシン少量を長期間摂取した場合の慢性毒性として、原発性肝癌のリスクが高くなることがあげられます。
アフラトキシンB1自体に発癌性はありませんが、アフラトキシンB1が肝臓で代謝されると発癌性の高い物質に変換されてしまいます。
特にアフラトキシンの摂取量が高く、かつB型肝炎ウィルス(HBV)罹患率の高い国や地域においては、B型肝炎ウィルス(HBV)感染者の発癌リスクが高まることが示唆されています。