カビによる病気、真菌症

クリプトコッカス症、角膜症、結膜炎、鼻炎、様々なアレルギー、カンジダ感染症、アスペルギルス・フミガーツス。

挙げていったらキリがないほど、カビによる病気や感染症が増えています。人体の抵抗力が弱ったところで、カビに感染して様々な病気や症状を引き起こすのです。

真菌(カビ)は、身体の弱った人に、かなりの効率で感染します。

カビが原因で起こる病気

カビが引き起こす病気には、大きく分けて次の3つがあります。

  • アレルギー疾患
  • 感染症
  • カビ中毒

アレルギー疾患はカビの胞子がアレルギーを引き起こすもので、気管支ぜんそくや鼻炎などがあります。特に、ススカビと呼ばれる「アルテナリア」というカビの胞子は大きく、これが鼻の中に入ってアレルギー性鼻炎を起こすとされています。

感染症は、カビが人体の組織に取り付いて引き起こすもので、代表的なものは「水虫」や「タムシ」。日本では多くの人が悩まされている疾患です。

カビ中毒は、カビ毒(マイコトキシン。カビが作る毒性物質)により引き起こされるもので、食品衛生上問題とされているのは、十数種類程度です。細菌による中毒とは異なり、食べた後間もなく吐き気や激しい痛みに襲われるということは比較的少なく、慢性疾患からのガンや肝臓・腎臓障害となってあらわれてくる場合があります。発がん性が「天然物の中で最強」と言われるのもカビ毒の一種。カビが生えた食品は食べないようにしましょう。

洗い過ぎも問題

人間の身体には、健康を守る微生物がついています。その微生物の中には、カビもいます。

それらが、人間にとって好ましくない微生物の発育を阻止しているのです。

清潔に、ということで手や身体を洗いすぎると、皮膚で健康を守ってくれているカビなどの微生物をも洗い流してしまいます。その結果、皮膚障害に悩まされることも少なくありません。

人間は、カビなどの菌と共存することで強くなり、健康を維持しているという側面もあるのです。