住宅にも深刻なダメージを与えるカビ。
ダニ増殖、健康被害、と微生物災害の連鎖を防ぐために必要な住宅のカビについて知りましょう。
日本はカビ大国
カビにとって最も快適な環境は、
気温 20〜30度
湿度 70%以上
で、この条件ならカビはどこかしらにすぐにとりつき、スクスクと成長します。プラスチックやガラスにまでとりついて、繁殖し始めるのです。
温暖で多湿、水蒸気の国とも言われる日本は、カビが成長しやすい条件が世界の中でも最も整っている場所なのです。
カビによる健康被害を防ぎましょう
住宅に生えたカビを放置しておくと、カビの勢力が増し、その家で暮らす人の健康を害することがあるので、見なかったことにするのはとても危険です。
カビの健康被害としては一般的に、
- アレルギー喘息
- シックハウス症候群
- 皮膚炎
などが知られていますが、これらはカビによる健康被害の、ほんの一部にすぎません。
梅雨〜夏に要注意!カビが原因の「夏型肺炎」
近年、「夏型肺炎」が増えていると言われています。「トリコスポロン」というカビの胞子が原因となる肺炎、アレルギーによる過敏性肺炎(=夏型過敏性肺炎)です。
トリコスポロンは古い木や畳、カーペットなどで繁殖しやすいカビで、以前は、風通しや日当たりが悪く湿気の多い古い住宅に多くみられました。しかし近年では、気密性の高いマンションなどの住宅が、カビの繁殖に適した環境となっている場合が多く見られます。湿度が高くて風通しが悪い場所、湿気がこもりやすい場所は要注意です。
「アレルギー」のページもぜひご覧ください。
カビは冬でも発生!
カビは梅雨時期に発生すると思っている人が多くいますが、実は冬にも梅雨時期に劣らないくらいカビが発生します。
その最大の原因は、結露。
カビは、室温と外気の差などが原因で発生する結露が大好物。冬型結露では、長期にわたって徐々にカビを発育させます。
カビ対策は、「梅雨時期に気を付ければ大丈夫!」ではなく、年中無休で行いましょう。
家の中のカビ対策
家の中をカビから守るための最大のカギ。
それは、「風通し」です。
昔の木造家屋は、家自体の風通しが良いものでした。そのため、湿気がたまりにくく、カビも発生しにくい環境だったのです。
それに比べて現代の住宅は、比較にならないほど気密性が高く、カビが発生しやすい環境を作ってしまっています。
気密性が高い上に外と中の温度差が大きく、結露ができやすい=カビが繁殖しやすいのです。
まずは家全体の風通しを良くし、雨戸や二重サッシにするなど、外と中の温度差をできるだけ小さくすること。ちょっとした手間と工夫で、カビを減らすこともできますよ。