シトレオビリジンは何に発生するか

シトレオビリジンは、ペニシリウム・シトレオビリデ(Penicillium citreo-viride)やアスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)などが産生するかび毒です。主に穀類、その中でも特に米を黄色く変色させる黄変米毒として知られています。ラットなどの実験動物による試験では、シトレオビリジンに汚染された米を食べると呼吸中枢を麻痺させ、呼吸困難・痙攣を引き起こすことがわかっています。
また、ビタミンB1の欠乏により全身の倦怠感・食欲不振・手足のしびれ・足のむくみなどの症状があらわれる「脚気」に呼吸困難や心不全が伴い死亡する例もある「衝心性脚気」に似た症状が出るとの指摘もありますが、それらとの因果関係は不明です。

シトレオビリジンの危険性

米を主食とするアジア圏などで見られるシトレオビリジンは、かつて日本においても問題となった黄変米事件で注目されたかび毒と同じペニシリウム属の仲間です。これらは中枢神経系、運動神経、心血管系および呼吸器系の障害に深刻な損傷を与えることを特徴としています。
現代の日本においても輸入米において汚染事例などが報告されていますが、国内に十分なデータを検出できる機関が設けられていないため、明確な検出量は不明であるものの、直接的に健康に悪影響を及ぼす量は現時点では入ってきていないとのことです。