梅雨時、カビは最適な環境で大繁殖!?
気温も湿度も上がってくる梅雨時から夏にかけて、環境はカビにとって最適となります。
もし、そこにカビの好物があったら大繁殖!
高温多湿な日本の気候では、カビから完全に逃れることはできません。普段のお掃除をより念入りに行う・回数を増やすなどして、カビの繁殖をできるだけ抑えることが、カビの健康被害から身を守るにあたってのポイントとなります。
梅雨〜夏に要注意!カビが原因の「夏型肺炎」
近年、「夏型肺炎」が増えていると言われています。「トリコスポロン」というカビの胞子が原因となる肺炎、アレルギーによる過敏性肺炎(=夏型過敏性肺炎)です。
トリコスポロンは古い木や畳、カーペットなどで繁殖しやすいカビで、以前は、風通しや日当たりが悪く湿気の多い古い住宅に多くみられました。しかし近年では、気密性の高いマンションなどの住宅が、カビの繁殖に適した環境となっている場合が多く見られます。湿度が高くて風通しが悪い場所、湿気がこもりやすい場所は要注意です。
「アレルギー」のページもぜひご覧ください。
特に気をつけたい、かびの発生箇所
毎日家中掃除して家の中をピカピカに保てればいいですが、現実的には無理というもの。
そこで、忙しい人向けにポイントを絞って「ここだけは」というカビ対策ポイントをご紹介します。
- 水回り
・浴室全体
排水溝、洗面器など浴室に置いてあるものやその周辺
・トイレの便器周辺
・キッチンシンク近辺 - 使わない・掃除しない期間がある程度長いもの
・エアコン
・カーテン
・押入れの壁
特に、干さない布団が入っていたら危険! - 掃除し忘れがちな箇所
・空気が循環しない部屋
例えば、帰って寝るだけの部屋。
・洗濯槽
・ベッドの下
・家具の裏
・掃除機のダストボックス
住まいの場所別カビ対策について、詳細を知りたい方はぜひ「かびと住まい」をご覧ください。
カビのシーズン
春のカビ対策
梅雨入り前のカビ対策
梅雨時のカビ対策
夏のカビ対策
秋のカビ対策
冬のカビ対策
結露について
キッチンのカビ対策
洗面所、脱衣所、洗濯機周りのカビ対策
浴室のカビ対策
玄関周り、靴、傘のカビ対策
押入れ&クローゼットのカビ対策
畳のカビ対策
カーペットのカビ対策
トイレに発生するカビの原因と種類
日頃の掃除で大掃除が不要に!?
住まいのかびを増やさないポイント
どんな場所でも「温度・湿度・酸素・栄養」があれば繁殖するカビ。
すごい生命力ですが、逆に言うと、「温度・湿度・栄養」を調整することで、カビの繁殖を極力抑えることができます。
まずは、風通しを良くすること。
押入れやクローゼットは閉めきりにせず、ちょっとでも開けて通気を心がけることで、湿気を逃がすことができます。
さらに、こまめな掃除。
カビが喜ぶ栄養を家の中に放置しないことで、カビの繁殖を防ぐことができます。
温度と湿度を常にチェック。
温度計と湿度計を室内に常備。
室温や湿度が高かったら、エアコンや除湿器で下げるといった工夫が必要です。
カビた食べ物、どうしますか?
梅雨が近づくと、食べ物が俄然傷みやすくなります。
食中毒が増加し始める季節ですね。
ウィルスや細菌による食中毒は広く知られていますが、実はカビでも食中毒になるんです。
住まいの中のカビが増えがちなこの季節は特に、食べ物のカビにも注意が必要です。
カビ毒による食中毒
カビの一部には、毒素(カビ毒)を作るものがあります。
一般的な食中毒では、食べた後数時間程度で嘔吐や下痢を起こすような急性の中毒ですが、カビ毒だと大抵の場合、そのような急性の症状は出ません。
そのため、急性の食中毒に比べると知られていませんが、健康被害が確認されているカビ毒はいくつもあります。
カビ毒食中毒を予防するには
既に300種類以上のカビ毒が確認されているそうですが、特に
- アフラトキシン
- トリコテセン系カビ毒
- オクラトキシンA
などは、カビ毒の中でも特に食品を汚染する頻度が高く注意が必要なカビ毒です。中でも「アフラトキシン」は天然物質の中で最も発がん性が強い物質と言われており、体内に入れたくない物質のひとつ。
全てのカビがカビ毒を作り出すとは限りませんが、カビが生えた食品は食べないようにするのが、カビ毒による食中毒の予防法としてはベストです。
キッチン、冷蔵庫を清潔に!
キッチンは常に水気があり、さらに調理時には加熱中の鍋や食器洗い中のシンク周りなどから水蒸気が出ます。さらに、ダニやカビのエサとなるものがあるので、カビが繁殖するための条件を備えている要注意の場所。
- 調理中や気がついたときに換気扇を回して、キッチンの湿気をこもらせない
- シンク周りなどに飛び散った水気は、放置しないですぐに拭き取る
- 汚れはこまめ拭き取って清潔を保つ
- シンク下の収納スペースの除湿・通気に気をつける
などの対策を行い、キッチンを清潔に保つことで、食べ物カビにくい環境を作るようにしましょう。
また、「冷蔵庫に入れておけば安心!」と思っている人が多いかもしれませんが、冷蔵庫は意外とカビの巣窟になりがちです。冷蔵庫の中は無菌ではありません。冷蔵庫の中も除菌するなどして清潔に保ち、冷蔵庫の中の物もこまめに整理するようにしましょう。